さるぼぼは岐阜県飛騨高山の名物でありマスコット的な存在として根強い人気がある。

ここ福井県においても神社の祭りなどで使われるのぼり旗などの下に写真のようにくくり付けられているのをよく見掛ける。漫然と安全祈願などのお守りとして使用されているが、さるぼぼの由来はご当地の岐阜県においても明確なものはない。室町時代『這子』という縫いぐるみ人形がありその作り方はさるぼぼの作り方と共通点が見受けられる。『這子』は嬰児の厄除け、無事祈願という役割があった戦前には子を背負うさるぼぼもあったという。現在のさるぼぼは胴が短く頭が大きいが戦前は胴長で頭が小さいことを考えると『這子』の流れを汲むものと考えられる。現存する一番古いさるぼぼと思われるものに岐阜県高山市松本町詰(とよづめ)長太郎さん所有の長太郎さんの母親が嫁入りの際に持参したものがある。ビンの中に入ったものと犬の上に乗ったものとの二点である。ビンの中に入ったものは高さ約二十センチで赤いチリメン布製、母親が子を抱く形態で顔は墨で描き猿回しのような烏帽子をつけている。もう一つは犬にまたがっている。大きさは同じで犬は白布で縫われ鈴をぶら下げている。犬の上に乗っている人形は胴長で『這子』に近い形と思われる。樋詰さんはさるぼぼと呼び雛祭りの時には雛人形と一緒に飾っている。嫁入りの際、母親が娘に持たせるという風習が残存していた事は注目に値する。子の安産を願う親の愛が現れているといえよう。

参考資料 岐阜県高山市郷土資料館より